「もっとデザイン力を上げれば、制作費は上がるはず」
「実績が増えれば、ちゃんと評価されるようになる」
そう思って、安い仕事でも断らず、誠実にできる限りの力で応えてきた。
それなのに、何年経ってもデザイン費が変わらない。むしろ、以前より条件が厳しくなっている気さえする。
そんな感覚に、心当たりがあるフリーランスデザイナーやWEBデザイナーの方も、少なくないかもしれません。
デザイン費が上がらない原因は「スキル不足」ではない
最初にお伝えしたいのは、デザイン費が上がらない理由は、デザイン力やWEBのスキルが足りないからではない、ということです。
もちろん、最低限の技術や知識は必要です。
でも、ある一定のレベルを超えると、デザイン費とスキルは、きれいには比例しなくなります。
それでも多くのフリーランスデザイナーやWEBデザイナーは、
「もっと上手くならなきゃ」
「もっと学ばなきゃ」
「もっと結果を出さなきゃ」
と、無意識に「足し算」を続けてしまいます。僕自身も、長い間そうでした。
でも、デザイン費が上がらないデザイナーが最初につまずくのは、実はそこではないんです。
原因は、仕事が始まるもっと前にある
前回の記事で、「選ばれるフリーランスデザイナーが、最初の打ち合わせで見ているもの」という話を書きました。
実は、デザイン費も同じ構造です。
デザイン費は、見積書の書き方で決まるものではなく、その前の「立ち位置」で、ほぼ決まっていきます。
ところが、多くのフリーランスデザイナーやWEBデザイナーは、
「依頼内容を正確に聞こう」
「要望にきちんと応えよう」
「相手を不安にさせないように…」
と、とても真面目で、誠実に向き合います。(僕もそうでした。)
ただその姿勢が、無意識のうちに「私は、言われたことを形にする人です」と伝えてしまっていることがあります。
「頼まれるデザイナー」と「選ばれるデザイナー」
ここが、最初の分かれ道になります。
頼まれるフリーランスデザイナーは、
「この内容だと、いくらですか?」
と聞かれます。
一方で、選ばれるフリーランスデザイナーは、
「この状況だと、どう考えますか?」
と聞かれます。
前者は、「作業」の相談。
後者は、「判断」の相談。
単価がなかなか上がらない人は、知らず知らずのうちに、前者の立ち位置に立っていることがあります。
しかもそれは、相手に合わせようとする優しさや誠実さから生まれていることが多いんです。
だからこそ、自分ではなかなか気づきにくいのです。
安く見られているのではなく、そう伝わっているだけ
ここで大切なのは、「お客さんが悪い」という話ではない、ということです。
相手は、こちらが示した立ち位置を、そのまま受け取っているだけ。
- どこまで考えている人なのか
- 何を担おうとしているのか
- どこに責任を持とうとしているのか
それが曖昧なまま進めば、デザイン費も「作業単価」として判断されます。
そしてデザイン費は、交渉で無理に引き上げるものでもありません。
最初に、「どんな役割を引き受ける人なのか」それが伝わった結果として、自然に決まるものだと、僕は感じています。
デザイン費は「結果」ではなく「前提」で決まる
起業・副業のフリーランスデザイナーやWEBデザイナーの多くは、こんな順番をイメージしているかもしれません。
良い仕事をする → 評価される → 単価が上がる
でも、現場では逆のことが起きている場合が少なくありません。
「この人に任せたい」→ きちんと予算を確保しよう → 単価が決まる
つまりデザイン費は、仕事の結果というより、関係性の「前提」として決まっている。
ここを取り違えると、どれだけ頑張っても、なかなか報われなくなってしまいます。
デザイン費の話が苦しくなる、本当の理由
ここまで読んで、
「じゃあ、どうやってその立ち位置に立てばいいのか」
「どう伝えればいいのか」
そう感じた方もいるかもしれません。
ただ、これを言い回しやテクニックの話にしてしまうと、また同じ場所をぐるぐる回ることになります。
デザイン費が上がらないとき、つい「もっと頑張らなきゃ」「まだ足りないんだ」と、自分に矢印を向けてしまうことがあると思うんです。
でも多くの場合、足りないのは努力や才能ではなく、「どんな立ち位置で仕事をしているか」を
一度立ち止まって見直す視点なのかもしれません。
- どんな役割を引き受けているのか
- どこまで考える人として関わっているのか
- その姿勢が、相手にどう伝わっているのか
そこが少し整理されるだけで、デザイン費や条件の話は、無理に挑まなくても、自然と変わっていくことがあります。
頑張ってきた人ほど、このズレに気づくのは簡単ではありません。
だからこそ、ここまで読んでくださったあなたは、もう十分、真剣に向き合っている人だと思います。
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